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認証プロセスや必要な準備が全く分からず、不安を感じていました。

Posted by TUV Rheinland Japan on 2025/04/24 16:06:42
TUV Rheinland Japan

~ スマートホーム標準規格 Matter認証試験 インタビュー | 第二回 株式会社アクセルラボ 

昨今、スマートホーム標準規格「Matter」が注目を集めています。製品開発・認証取得するにあたり、具体的に何をすれば良いのか、どこから始めれば良いのかを悩む企業担当者も多いのではないでしょうか。

このたび、2025年1月にMatter認証(Matter1.3)を取得された株式会社アクセルラボ 取締役 青木 継孝様、執行役員 中島 幸治様、グループマネージャー 西 康成様に、テュフ ラインランド ジャパンのMatter認証試験についてお話を伺いしました。

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左: 株式会社アクセルラボ 執行役員  中島 幸治様
中央:株式会社アクセルラボ 取締役 青木 継孝様
右: 株式会社アクセルラボ グループマネージャー 西 康成様

 

ーーー 認証を取得するにあたり、不安や心配事はありましたか。

 西様  コントローラの認証試験について説明いただいた際、エンドデバイスに関する資料はありましたが、コントローラに関する情報が少なかったので、進め方に不安を感じました。

 テュフ ラインランド  コントローラに関する情報は本当に少ないですね。

 中島様  はい。Matter認証を取得するのは今回が初めてで、国内の事例もほとんどなかったため、認証プロセスや必要な準備が全く分からず、不安を感じていました。

 テュフ ラインランド  Connectivity Standards Alliance(以下、アライアンス )にはかなり早い段階から加入されていましたよね。

 中島様  認証の準備を進める中で、試行錯誤の連続でした。そのため、認証取得の段階に至るまでに時間がかかりました。

 西様  テュフ ラインランドに問い合わせた後に、テストハーネスのトレーニングを受講しました。しかし、実際の試験まで期間が開いてしまいました。

 テュフ ラインランド   Matter認証試験に関しては、どの企業も同様です。トレーニングに参加いただいてから認証試験に進むまで時間がかかる傾向があります。

 西様  「テストハーネストレーニングってなんだろう」「トレーニングが必要なぐらい、よくわからないものなのかな」など、不安だらけでスタートしました。

 テュフ ラインランド  トレーニングを受講いただきましたが、お役に立ちましたか?

 西様  はい。トレーニングのおかげでその後スムーズに認証試験の準備を進めることが出来ました。

 

TUV-Rheinland-JP-Matter-ReferenceCase02-Image03ーーー テュフ ラインランドを知ったきっかけを教えてください。

 西様  アライアンスに加入して、調査した時点ではテュフ ラインランドが日本で唯一の認定試験ラボであることをアライアンスのウェブサイトなどを介して知りました。

 テュフ ラインランド  もともとご存知でしたか?

 西様  いえ、知りませんでした。

 青木様  私は、前職で技適取得の際にお世話になったことがあるので名前は知っていました。しかし私自身、認証取得の経験はなく、今回は私自身そしてアクセルラボとしても初めての認証取得でした。

 テュフ ラインランド  これまでこのような認証はどうされていましたか?

 青木様  協業している企業が技適などの認証を取得していました。しかし、今回は我々がメーカーとしてオリジナルの開発を行ったため、認証を取得することになりました。

 テュフ ラインランド  そうであれば、なおさら不安と心配しかないですね。

 青木様  そうですね、こういうことをやるのかというところからでしたから。

 テュフ ラインランド  テュフ ラインランドを含めて、このような認証・試験機関をまったくご存知ない状態からスタートだったのですね。

 中島様  そもそも、何をするのか?認証の流れ自体が分からない状態だったので、基本的な部分から詳しく教えていただきたく、ご相談しました。

 テュフ ラインランド  そうですよね、基本的なプロセスからですね。

 西様  まずは、ドキュメントを読むところから。

 テュフ ラインランド  認証試験に関するドキュメントは説明が長いですし、何を言っているのか?から始まりますよね。いただいたご質問にはきちんとお答えできていましたか?

 西様  非常に。

 中島様  色々教えてもらった印象です。

 

ーーー 試験前の準備にどれだけの時間を取られましたか。準備で大変だったことを教えてください。TUV-Rheinland-JP-Matter-ReferenceCase02-Image04

 西様  最初の実装宣言書(PICS)準備では何が必要なのかをテュフ ラインランドと相談しながら進めました。次にテストケースを出力して実際に試験を行う段階で、「テストケースの内容が理解できない。」「どのように実行するのか。」「実際に動かすと期待値が違う」といった問題がありました。その都度テュフ ラインランドと相談しながら進めていき、事前試験には2ヵ月くらいかかりました。

 テュフ ラインランド  PICSが確定しないと、認証試験に必要なテストケースが決まりません。テストケースに不足がないか、不要なものが残っていないかなどを確認する時間が必要なため、早めにPICSをご提出いただき、大変助かりました。

 西様  スムーズに行くテストケースもありましたが、途中で結果が合わないこともありました。テストハーネスが複数台必要な場合は対処方法がわかりませんでした。そして実際に試験している最中も、これで本当に合っているのかという不安がありました。想定していたよりも少し時間がかかってしまった印象です。

 テュフ ラインランド  わからないことがあれば、すぐにご質問ください。

 

ーーー 実際に試験を受けてみて、印象に残った点などはなにかございますか。

 西様  認証試験の自動化部分が少なく、手作業が多いことに驚きました。また事前試験の際には迷う部分もありましたが、テストエンジニアさんがすぐに判断してくれたので、進めやすかったです。

 テュフ ラインランド  緊張しましたか?

 西様  そうですね、試験前は、「最初はどうやって進めればいいのかな」「期間内にちゃんと終わるかな」という緊張がありました。初日と二日目くらいは順調に進みましたが、三日目ぐらいで、どうやって進めていくのかがわからない箇所が出てきて、そこから進捗が少し滞りました。最終的に計画通りに収まった部分と、再テストが必要な箇所がありました。しかし、試験スケジュールに関して、柔軟に対応いただいたので、助かりました。

 テュフ ラインランド  試験が進み始めてきたら、多少緊張はほぐれましたか?

 西様  少しは。一緒にテストしていたテストエンジニアさんがコーヒーをいれてくださって。

 テュフ ラインランド  そこは、エンジニアの独自サービスですね。

 中島様  テストエンジニアさんが丁寧に対応してくださったので、とても安心感があり、落ち着いて試験に臨めました。

 テュフ ラインランド  良かったです。伝えておきます。試験を受けてみて、印象に残った点は「テストエンジニアのコーヒー」だったと。(一同笑い)

 

ーーー テュフ ラインランドのMatter試験サービスに期待することはありますか

 西様  提供いただいた資料がわかりやすくて、進め方をイメージしやすかったです。認証試験は、今回が初めてでしたが、問い合わせしながら進めることができました。今後も試験を依頼していくと思いますので、協力をお願いできればと思っています。また、期待することでいうとMatterに関する新しい情報をウェブサイトでご紹介していただきたいです。

 テュフ ラインランド  FastTrack Recertification ProgramとPortfolio Certification Programについてですね。こちらは会員限定情報のため、お問い合わせいただけたら、メンバーシップ レベルに合わせた内容で説明いたします。いつもテュフ ラインランドのウェブサイトを積極的に活用いただいてありがとうございます。我々も、Matterに関する情報発信に努めてまいります。

 

ーーー 最後に御社の今後のビジネスの展望や、さらに伸ばしていきたい分野などがあれば是非教えてください。TUV-Rheinland-JP-Matter-ReferenceCase02-Image02

 青木様  Matter対応のIoTゲートウェイaliehub (アリーハブ) は、他社プラットフォームに依存せず、自社開発した独自のIoTプラットフォームです。今後は、Matter対応デバイスとの連携を拡大し、スマートホーム分野に限らず、さまざまな業界へ展開していきたいと考えています。

 テュフ ラインランド  スマートホーム領域だけではなく、他の分野にも拡大していくビジョンをお持ちなのですね。

 青木様  はい、その通りです。Matter対応デバイスが増えることで、より柔軟なソリューション提案が可能になります。例えば、無人店舗 での活用が考えられます。カメラや予約システムと連携したスマートロック や、自動温度管理 など、IoTを活用したさまざまなシステムを提供できるようになります。

 テュフ ラインランド  国内のデバイスメーカーのMatter対応の動向について、どのようにお考えですか?

 青木様  住宅設備メーカーからの連携に関するお問い合わせを多数いただいています。Matter対応が進むことで、特定のプラットフォームに縛られず、住宅設備メーカーは柔軟にサービスを選択できるようになります。これにより、Matter対応デバイスの住宅への採用が加速すると考えています。

 テュフ ラインランド  今後、住宅設備メーカーとの具体的な連携について、どのような展望をお持ちですか?

 青木様  弊社は、賃貸物件向けのスマートホーム提供に強みを持っています。Matter対応の住宅設備を賃貸物件に導入するには、入居時にすぐに利用でき、退去時には利用不可にするという運用が必要になります。今後は、住宅設備メーカーのMatterデバイスを弊社の賃貸運用システムと連携させることで、賃貸市場への普及を進めていきたいと考えています。スマートホームのプラットフォーマーとして、住宅設備メーカーと協力し、より価値のあるソリューションを共に作り上げていきたいですね。是非ディスカッションを重ねていきたいと考えています。

 テュフ ラインランド  単にMatter認証を取得し連携するだけでなく、スマートホームの未来を共に創造していくことが重要 ですね。業界全体を盛り上げていくには、こうした双方向のコミュニケーションが、カギになると感じます。今後の展開を楽しみにしています。

 

青木様・中島様・西様、本日はお時間をいただきありがとうございました。


関連情報

全7回シリーズ連載中「Matter認証プロセスを徹底解説」

  1. Matter認証申請の手順 
  2. Matter認証試験の手順
  3. Matterの仕様書とバージョン
  4. 実装宣言書(PICS)と実装宣言書作成ツール(PICSツール)

スマートホーム標準規格 Matter認証試験 インタビュー

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更新日 5/8/2025

 

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Topics: IoT, 通信機器, tuv.communication, IT機器

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