Bluetooth Updatesでは、Bluetoothに関する情報を専門家がわかりやすく解説します。今回はスペックバージョンの表記に関する新ルールについて紹介します。
Bluetooth®機能表記方法の指針発表
市場で販売されているBluetooth®製品の機能表記は、エンドユーザーにとって不明確な場合があります。たとえば、Bluetooth® Core Versionのみの表記や具体的なプロファイルの羅列などが該当します。特にCore Specification のバージョンを組み合わせた表記は、製品が実際にサポートしている機能について消費者に誤解を与え、機能比較を困難にし、購入後の機能のミスマッチが起こる要因となります。
このような背景を受け、Bluetooth® SIG(以下、SIG) は2025年1月14日に、表記方法の指針「Communication Guidance」を発表しました。
このガイダンスの目的は、以下の3つです。- 製品がサポートしているBluetooth®機能の表示における統一性を促進
- エンドユーザーが製品のBluetooth®技術や機能を容易に認識できるよう支援
- 最新のBluetooth®技術をサポートすることで製品が持つ信頼性を向上
今回の発表は、SIGが公式にエンドユーザー向け仕様書欄でBluetooth® Coreのバージョンや具体的なレイヤーのプロファイル名を含めないよう明確な指針を示した、重要な変革の一つです。
一方で、ICやモジュール等の開発者向けには、詳細な機能表記方法の指針を示されています。
これからBluetooth®製品の販売を検討されている方は、表記方法の対象を「最終製品登録のメンバー向け」と「ICやモジュール等の開発者向け」に分けて考え、分かりやすく伝える表記方法をご検討下さい。
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最終製品登録のメンバー向け
図1. 最終製品登録のメンバー向け表記方法
以下は、推奨する製品技術仕様の表示例です。図2. 最終製品登録のメンバー向け表記例
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ICやモジュール等の開発者向け
ICチップベンダーやモジュールベンダー等の会社向けには、コアバージョンやプロファイルを含めた具体的な仕様について記載する場合の指針が示されています。以下の通り、技術、機能、プロファイル、コアバージョン(Bluetooth® Core X.Y*)に分けた表記方法が推奨されています。(* X.Yは、仕様の版数を表します。)
図3. ICやモジュール等の開発者向け、詳細な仕様の表記方法
4.ICやモジュール等の開発者向け、詳細な仕様の表記例
*こちらに記載の機能およびプロファイルは、あくまで一例であり、すべてを網羅するものではありません。
*将来的に対応を予定している機能については、例えば販売開始時にその機能がサポートされていなくても、「Ready for xxx」という形でアップデートの提供意図を示すことが可能です。
*BTやBLEといった表現は使用禁止です。Bluetooth®や Bluetooth®LEといった表記が推奨されています。
図5.Bluetooth®技術の表記方法
詳しくは、Bluetooth®SIGのウェブサイト[外部]をご覧ください。
テュフ ラインランド ジャパンには、Bluetooth® SIG から正式に認定を受けた「認証コンサルタント(BQC:Bluetooth® Qualification Consultant)」が在籍しています。Bluetooth® SIGの認証責任者は、認証コンサルタントに対し定期的にオンライン会議を開催し、認証プロセスの教育とアップデートを行っています。テュフ ラインランド ジャパンは2017年のBQC制度移行当初よりこのオンライン会議に参加している日本で唯一の認証機関です。
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更新日 : 4/17/2025